苦しみについて / ハリール・ジブラーン


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「苦しみについて」

苦しみについてお話し下さい、とある女が言った。
彼は答えた。
あなたの苦しみはあなたの心の中の
英知をとじこめている外皮(から)を破るもの。
果実の核(たね)が割れると中身が陽を浴びるように
あなたも苦しみを知らなくてはならない。
あなたの生命(いのち)に日々起こる奇跡
その奇跡に驚きの心を抱きつづけられるならば
あなたの苦しみはよろこびと同じく
おどろくべきものに見えてくるだろう。
そしてあなたの心のいろいろな季節をそのまま
受け入れられるだろう。ちょうど野の上に
過ぎゆく各季節を受け入れてきたように。
あなたの悲しみの冬の日々をも
静かな心で眺められることだろう。

あなたの苦しみの多くは自ら選んだもの。
あなたの内なる薬師(くすし)が
病める自己を癒やそうとして飲ませる苦い薬。
だから薬師を信頼して
黙ってしずかに薬を飲みなさい。
薬師の手がたとえ重く容赦なくとも
それは目に見えぬもののやさしい手に導かれている。
彼が与える杯がたとえあなたの唇を焼こうとも
それは大いなる焼物師が
自らの聖なる涙でしめらせた
その粘土でつくられたものなのだ。

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by yamanomajo | 2018-02-23 09:18 |