2019年 04月 07日
スモモの栽培
今年、スモモの苗木を9本植えました。(写真は2年目のスモモの木)
スモモは自家結実(一本で結実)する品種が少なく、混植するのが基本ですが、ただ品種の違うものを植えればいいというものではなく、それぞれの品種の受粉相性(交配親和性)が良くないとうまく結実しません。
品種は違っても相性が悪いと、結実率0%となることも多く、スモモの受粉と結実は本当に微妙で難しいものだと、ここ1か月ほどネットで調べながら頭を悩ませました。同時にスモモ栽培はこんなにも面白いものなのかとも思いました。
9本植えたスモモは、いずれも品種が違います。それぞれに受粉相性の良いものを選ぶ必要があったというのもありますが、味も、見た目も、大きさも異なる、様々なスモモの栽培を楽しみたい、その成長過程や結実の喜びを味わいたいという気持ちもありました。
今日の記事では、スモモの受粉相性について書いていきます。
以下が現在育てているスモモの品種です。
李王
太陽
ハニーローザ
ハニーハート
大石早生
サマービュート
ハリウッド
貴陽
秋姫
彩の姫
これらの品種を2つの畑に分けて植えています。
[第一の畑]
一つ目の畑には、李王、太陽、ハニーローザ、ハニーハートの4品種を混植しました。上の図の片方に矢印が出ているのは、花粉を送る側と受け取る側。両方に矢印が出ているのは相互に受粉相性があるもの。
李王と太陽は交配親和性があり、結実率が互いに30~45%あります。ハニーローザとハニーハートも交配親和性があります。(ハニーハートはハニーローザからの受粉で結実率が約17%)また、ハニーローザは自家結実率が10~25%あり、一本でも結実します。ハニーローザの結実率をさらに高めるため、隣にハニーハートを植えました。
太陽の受粉樹としてはハリウッドが有名ですが、実際のところハリウッドの花粉では太陽の結実率は悪いようです。太陽の受粉樹として最適なのはハニーローザです。(これは、複数の方が実践して証言されているので間違いないと思われます)
このようなことから、太陽の隣に李王とハニーローザを配置して太陽の結実性を高め、他の3品種もそれぞれに結実するような選び方と配置にしました。
[第二の畑]
二つ目の畑には、大石早生、サマービュート、ハリウッド、秋姫、貴陽、彩の姫の6品種。ハリウッドは自家結実性が高く、受粉樹向きの品種として知られています。このハリウッドを囲むように他品種を配置しました。
サマービュートはハリウッドの花粉で容易に結実し、結実率は40%前後と高く、豊産になりやすいようです。(ハリウッド→サマーエンジェルでは結実率が20%ほど)。大石早生、秋姫もハリウッドで受粉します。
また、サマービュートと大石早生は交配親和性があり、特にサマービュート→大石早生での結実率が高いようです。
秋姫の花粉は大石早生やソルダムと和合性が高く、交配親和性があります。大石早生と交配親和性の高いソルダムを隣に植えようかと思いましたが、大玉スモモの秋姫が魅力的だったのでこちらを選びました。
貴陽はスモモのなかでも特に結実が難しいとされる品種で、ハリウッドだけでは結実率は悪いという情報があります。(ハリウッドよりもコチェコ、バイオチェリーのほうが相性は良いようです)※後日いろいろ調べたところ、貴陽の受粉樹としてはコチェコが最適のようです。
コチェコは非常に優秀な万能型の受粉樹で、貴陽だけでなく、秋姫や大石早生など他の多くの品種の受粉樹になり、結実率も高いようです。(受粉樹としてはハリウッドよりも能力が高いということだと思います)。また、コチェコは受粉樹として優秀なだけでなく、自家受粉で美味しい実をたくさんつけます。日本スモモと混植することでさらに実が大きくなり、豊産にもなりやすいとのこと。このことは植え付け後に知った情報なので、ハリウッドではなくコチェコを植えればよかったなと…
来年はコチェコを注文して植え付けたいと思っていますが、スペースが足りずに困っています。貴陽と秋姫を一緒の畑に植えているので、受粉樹としてやはりコチェコを植えたいです。
彩の姫は一本でも結実率が高い珍しい品種です。花粉が多く、未確定ですが他品種との受粉相性もあるかもしれません。彩の姫は一本でも結実するので、この木をどこかに移動させて新たにコチェコを植えてもよさそう。
スモモの受粉相性について参考にしたサイトをいくつか載せておきます。
スモモの受粉相性について新たに記事をまとめましたので、こちらも参考にしてみてください。
※追記
2020年、スモモの新たな植え付けと配置換えをしました。
by yamanomajo
| 2019-04-07 19:39
| 果樹