2024年 04月 20日
瞑想 / J.クリシュナムルティ
あらゆるものから離れ
あらゆるひとから離れ
あらゆる思考や追求から離れて
自分だけで 独りきりになったことがあるでしょうか
孤立するのではなく
夢想や幻想にふけるのでもなく
ただ離れていき
自分自身のなかから
認識できるものが すっかりなくなり
思考や感情によってふれられるものがなくなるほど
完全に独りきりになったことがあるでしょうか
すっかり離れていくと
まったくの独りきりになり
そのなかで 静寂そのものが
たとえようもない花となり
たとえようもない光となり
思考では測ることのできない 時のないものになります
そのような瞑想のなかで
愛がはじめて姿をあらわします
あえて愛をあらわそうとするにはおよびません
愛はみずからあらわれてきます
愛を行使してはなりません
愛を行為であらわそうとしてはなりません
愛はおのずとはたらきます
愛がはたらくとき
そのはたらきのなかには
どんな後悔もありません
どんな矛盾もありません
人間がなめるみじめさや苦しみは
なにひとつありません
だから独りで瞑想しなさい
そのなかに失われてしまいなさい
自分がとおりすぎていったものを
おぼえておこうとする必要はありません
それをおぼえておこうとすれば
瞑想は 死んだものになってしまうでしょう
記憶にしがみついているなら
あなたは二度と 独りになることはないでしょう
だから
はてしない孤独のなかで 瞑想するのです
その愛の美しさのなかで
その無垢のなかで
そのみずみずしさのなかで……
すると そこに
ほろびることのない至福がおとずれます
だから
あなたが一度もおとずれたことのない
ハートと心の 秘められた奥底で
瞑想しなさい
…
あなたが独りきりで
丘を歩き
森のなかを歩き
白く長い砂浜を歩くことができるなら
その独りきりのなかで
瞑想とはなにかを知るだろう
あなたが
独りであることをおそれず
世界にくみせず
なにものにも執着していないとき
独りであることのエクスタシーがうまれる
今日の朝おとずれた夜明けのように
それは静かにやってくる
まさにその静寂のなかで
黄金に輝く道が照らしだされる
それははじめからそこにあり
いまも現前している
そして いつもそこに
ありつづけるだろう
by yamanomajo
| 2024-04-20 07:30
| 言葉・本