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雪はただ白く降りて / 大野百合子 2


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「真夜中」

真夜中
私はふと起き上がり
静けさの中に坐る

真夜中には声がある
深く見つめるところにひそむ力がある
私はどうしようとするのだ
ただ、たった一つのものであるようにと願う

私はまたすぐ眠るだろう
私のすべてを
ただ守る者の手に任せて


……


「夜に」

空に星をまき
地上に平和を与える
手よ
悲しみがあれ
悩みがあれ
私は守られる
手よ
すべてのものの上に置かれる
形なき手よ


……


「詩を書く時」

詩を書く時
私は
大空にふかぶかと伸びた
何かの木になるのです
そよ風は
どんな細い梢の先にも
やさしく触れて行きます
そうしてたくさんの小鳥達は
私の肩のあたりに休んでは
また飛んで行きます
誰も知らない中に
きれいな雲が湧くのも
真昼の星が一ぱい白く光っているのも
知っています
いつかの夜は
空と土とが
やさしい言葉を交していたのを
聞いていました


……


「或る夜」

灯をともしてそのまゝ
窓から外を見ていた
風もやみ 雪もやみ
一つの星もなささうに
静かだ
なにか匂やかな
ほの白い屋根々々の雪
その上をよく見ると
青い光りが空一ぱいに満ちていた
人々よ
こんな夜こそ
互の胸のうちに忘れられていた灯をかきたて
やさしいものおもひに耽ろう


……


「星空」

すべてのものは
夢みるように
眠っている
守られたものの安らかさで
やさしく落ちついて
そしてなんという美しさだろう
今天と地とは一つのものになり
地の上にまで
星が満ちて来た
あゝ自分は
すべてのものを愛しているのに
気がつく


……


「春」

雪解けて
小川のふちに
芹の芽出でたり

我れもまた
あたらしきもの身につけ
すがすがしく心も清まりて
芹の芽の如く
小川のふちに立ちて
こくこくと
その流るゝ音を聞けり


……


「四月のうた」

わが心は
青き空
青き空に
わが歌は
やさしく調べたり
幼きはらからは
われをめぐり
胸毛白き小鳥は
赤き実を地に落しぬ
充ち満つるもの
なべてのものの上にあり

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by yamanomajo | 2018-01-28 10:02 |

雪はただ白く降りて / 大野百合子


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「ある時」

誰もいやしない
けれど誰かがいる
ふかぶかとその人の呼吸が
こんなにも間近だ

誰もいやしやしない
けれどきっと誰かだ
こんなにもやさしく
私を呼びかける


……


「静かさの中で」

珍しく暖かいので
妹をつれた私は
かなり歩いてしまった
小さい山の斜めに坐ると
まだ青くならない草と土の香りがする
空はどうしてこんなにも高いのだろう
風はそんなにつめたくもなく吹いて来る
私は深い静かさにつつまれて
思うともなく
見るともなく
いつまでも坐っていた
私は私の心がきれいになって
静かなものにまざまざと触れ
なにか知りたいと思っていたことをはっきりと知った気がした


……


「田舎道から」

芝生は波のように
それよりも柔らかに
真青な追憶のように
目の中にゆれて来る

どこまでもつづいた道を
真直ぐに歩いて行くと
午後の陽を背にして
畑に立っている人々は
自分達の作ったこの青物畑を
どんなにか愛していることか
つぶらな青い実が見える葡萄棚は
小鳥達が巣でも作りそうに美しい

遠くから遠くへ風が渡って行く
あゝこの木陰で
一休みして行こう


……


「蜘蛛の巣」

小さい庭をめぐる
細い竹の垣根に
蜘蛛が巣をかけた
その垣根に
小さい葉をつけた蔦が這っている
何気なく手をさしのべ
何気なくからみついたように

風が吹くと
その葉が揺れて
巣が動く
ほんの風にも耐えない程な
子蜘蛛の初めての営みのような
その小さい巣が


……


「窓」

詩を書こうとして
自分はぼんやりと
何かを見ている時が多い
机の置かれた窓から

或る時は
雨の降りそゝぐのを見ていた
空の色を
そうして又夏の暮れ方などは
夜店へ行く花の車を
けれどこの頃はその窓硝子に
時折り雪の花が咲く

自分はながい事こゝに坐り
ながい事ぼんやりと見ている
しかし自分は
いつかそれを楽しんでいる


……


「ある場所で」

人々が歩いている
さあ大急ぎで、と
言っているように
青空が頭の上にひらけている
そんなことは知らないように
ほゝえみと歌うことを
知らない人のように
誰もかれも
知ることをなくしたように


……


「安息」

青空をゆらゆらと
白鳥が飛んで行く
―そんな気がするのです
その羽ばたきさへ
やさしく風をきり
こゝまで聞こえ来る
―そんな気がするのです


……


「雲」

雲が飛ぶ
雲の飛ぶのを見ているのは
自分の飛ぶのを思うようだ
風があるのか
あんな高いところに
想いがあるのか
あんな遥かなところに
自分がここにいるのか
あそこにいるのか

今日の空は
たった一つの雲を浮かして
ただ遥かだ


……


「雪はただ白く降りて」

雪は
あつきおもいあれど
底ふかくつつめる
静かなるこころなり

山々の峰に
火の如き風に吹かれ
いつかそのこころをはぐくめり

よしや地上に
おもうことかなわじと
嘆く人あらばとて
雪はただ白く降りて
静かなり

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by yamanomajo | 2018-01-25 18:55 |

冬の海


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by yamanomajo | 2018-01-14 16:54 | ある日

里芋の煮っころがし


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里芋の皮をむき、塩で揉んでぬめりを取る。




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醤油、砂糖、みりんを加えて煮込む。




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煮汁がブクブクとカラメル状になるまで煮詰め、
最後に芋と煮汁を絡める。




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完成。



詳しいレシピ



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by yamanomajo | 2018-01-13 12:49 |

赤かぶの甘酢漬け


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赤かぶを切って塩を加えてもみこむ。




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小皿をかぶせて重しを乗せ2~3時間置く。




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水洗いして塩抜き。
その後かぶを手でギュッと絞って水を抜く。




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砂糖、酢、みりんを合わせて漬け汁を作り、かぶと合わせる。




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タッパーに移し2~3日置く。




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完成。



詳しいレシピ



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by yamanomajo | 2018-01-11 19:06 |

私が私を愛する愛


たくさんの友たち

窓辺にやってくる雀たち
野山に暮らすカラスたち
緑輝く草々
名も知らぬ花たち
静かに立っている木々
物言わぬ石たち
じっと見守ってくれている太陽
共に歩いていく雲たち
水のきらめき
雪の白さ
雨の音
風の音
夜の闇
月の光
星の瞬き…

みんなみんな友達
目に見えない空気ですら
深く親密な友になってくれる

友、という言葉は間違っているかもしれない
自然のすべて、宇宙のすべては
私が私に呼びかける声
個としてではなく全体として
一なる存在として

私は私自身を抱擁している




「自分たちはなぜこの宇宙にいるのでしょうか?
もし自分が太陽を生み出し、地球を生み出し、生命を生み出した、この宇宙のすべての元になる親のような存在だとしたらと想像してください。
そんな宇宙の気持ちになって、なぜ生命を生み出したのか、もし自分が宇宙だったら、果たして生命をこの宇宙に生み出すだろうか?と考えてみてください」

この問いに小学6年生のある女の子が語った言葉。

「もし私が宇宙だったら、生命が欲しい。
宇宙に生命があれば、宇宙に笑顔があふれ出し、宇宙は明るくなる。
でも、もしこの宇宙に生命がなかったら、そこは何もないさみしいところ。
だから、私は生命が欲しい。
宇宙には感謝する。生命が生きる場を作ってくれた。
私はこの世に生きられてうれしい」


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by yamanomajo | 2018-01-05 18:35 | 思い

私の墓は / 日塔貞子


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「私の墓は」

私の墓は
なに気ない一つの石であるように
昼の陽ざしのぬくもりが
夕べもほのかに残っているような
なつかしい小さな石くれであるように

私の墓は
うつくしい四季にめぐまれるように
どこよりも先に雪の消える山のなぞえの
多感な雑木林のほとりにあって
あけくれを雲のながれに耳かたむけているように

私の墓は
つつましい野生の花に色彩られるように
そして夏もすぎ秋もすぎ
小さな墓には訪う人もたえ
やがてきびしい風化もはじまるように

私の墓は
なに気ない一つの思出であるように
恋人の記憶に愛の証しをするだけの
ささやかな場所をあたえられたなら
しずかな悲哀のなかに古びてゆくように

私の墓は
雪さえやわらかく積るように
うすら明るい冬の光に照らされて
眠りもつめたくひっそりと雪に埋れて
しずかな忘却のなかに古びてゆくように…

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by yamanomajo | 2018-01-02 12:53 |

くるみ餅


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北東北でよく食べられるくるみ餅です。




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くるみを擦ってくるみだれを作ります。



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少しずつお湯を加えて混ぜる。



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砂糖、醤油を加えて味を調える。



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焼いたお餅に塗って食べます。



詳しいレシピ


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by yamanomajo | 2018-01-01 16:40 |